D2C、OMO、DX…ビジネスモデル革新のすべてを貫く大原則
マーケティングの新しい基本
顧客とつながる時代の4P×エンゲージメント
この本の冒頭プロローグの中で「5年後にいまと同じビジネスを行っている企業は消えるだろう…」というフィリップ・コトラー教授の言葉があります。コロナ禍で数多くの企業や個人が苦しむなか、最も顕著な変化は「暮らしのデジタルシフト」が急激に進んだこと。人々の暮らしも新しい常識が定着するなか、仮に自社が変化しなくても、顧客は変わり、競争は変わっていく。その変化を傍観した企業は消えてしまう…ということでしょうか?
コトラー教授によると、その変化の道標は「顧客をみよ」と言うことらしい。さらに加速していくデジタル時代、これからのマーケティングの新しい基本とは何か?を一考したい方、経営者の方に、手にとっていただきたい1冊をご紹介します。
マーケティングの新しい基本
顧客とつながる時代の4P×エンゲージメント
出版社による内容紹介
「つながっている価値」のない企業は、顧客の日常から消えていく――。
デジタル革命によって「顧客とつながる」ことが前提になり、マーケティングの基礎そのものが変わろうとしている時代の「New Basic of Marketing」を理論と事例の両面から解説。新しいフレームワークとして「カスタマー・バリュー・ピラミッド」「エンゲージメント4P」などを提唱する。さらに、その視点から、注目すべきビジネスモデルを持つ企業の事例を分析していく。D2C、OMO、DXなどを推進する上での大原則がここにある。
4P×デジタル革命
本書はデジタル革命を前提として、それがもたらすマーケティング変化に目を向ける。顧客の「暮らしのデジタルシフト」が加速したいま、チャネルやプロモーションのデジタル化という次元を超え、マーケティング思考の根本がデジタルを前提としたものに置き換わりつつある。
本書ではマーケティング思考の基本とも言える4P(プロダクト、プライス、プロモーション、プレイス)を再考し進化させ、デジタル時代における「マーケティングの新しい基本」として提示する。さらにこれを用いて、ペロトン、ルルレモン、YAMAP、スナックミー、トライアル、ニトリ、カインズ、ナイキ、ウォルマート、アマゾンフレッシュ、ウォルグリーン、盒馬鮮生(ヘマーセンシェン)などの国内外の企業事例を具体的に観察し、彼らの「デジタルを前提とした戦い方」を解釈していく。
マッカーシーが提唱した4Pなんて古すぎる、使えないと思われるかもしれない。しかし本書はあえてこの誰もが知る思考法を使うことで、デジタル革命において起きている思考進化を描出する。そしてこの思考法を軸として、革命の真っ只中にいるマーケティング現場が取り組むべき問いを考えていくこととしたい。(プロローグより)
書籍目次
PART1 顧客の行動が変わった
「暮らしのデジタルシフト」が定着
企業の「必死の対応」と「根本的な進化」
「つながっていること」が価値に
PART2 顧客の価値が変わった
カスタマーバリューの3層構造
Peloton 顧客接点の革新で圧勝したフィットネス企業
PART3 マーケティング思考を変える
従来型の4P思考の弊害
エンゲージメント× 4P
PART4 ビジネスモデルを変える
YAMAP 「顧客とのつながり」から商品を考える登山アプリ企業
snaq.me サブスクの「おやつの宅配」で「楽しさ」を届ける
TRIAL 「ITで流通を変える」を掲げる日本の先駆者
PART5 競争のルールを変える
新たなモデルが引き起こす「異業種パーソナライズ競争」
lululemon 時価総額で世界御三家に食い込んだカナダの新星
Walgreen 顧客の1次情報の「解放」によって新事業を加速
PART6 データの掴み方を変える
「OMO=オンラインとオフラインの融合」が前提に
Walmart 冷蔵庫まで食材を届けて「顧客の行動」を把握する実験
Amazon Fresh 「スマートレジカート+アレクサ」によるデータ把握の衝撃
PART7 事業システムを変える
ビジネスモデルだけでは稼働しない
「新しいの基本」の実践 3つの視座
著者プロフィール
奥谷 孝司 (オクタニタカシ) (著/文)
株式会社顧客時間共同CEO取締役。オイシックス・ラ・大地株式会社専門役員COCO(Chief Omni-Channel Officer)。株式会社イー・ロジット社外取締役。株式会社Engagement Commerce Lab.代表取締役。1997年良品計画入社。衣服雑貨のカテゴリーマネージャーとして定番商品の「足なり直角靴下」の開発し、WEB事業部長として「MUJI passport」のプロデュースなどを担当。2015年10月オイシックス株式会社(当時)入社。2018年9月株式会社顧客時間を設立。共同CEO取締役に就任。Head of Marketingとして、顧客時間に参画する多様なスペシャリストと共に、数多くの業界・企業におけるDXプロジェクト・事業開発プロジェクトのサポートを行っている。2021年3月一橋大学大学院経営管理科博士後期課程単位取得満期退学。著書に『世界最先端のマーケティング 顧客とつながる企業のチャネルシフト戦略』(共著、日経BP)、『オムニチャネルと顧客戦略の現在』(共著、千倉書房)がある。
岩井 琢磨 (イワイタクマ) (著/文)
株式会社顧客時間共同CEO代表取締役。1993年博報堂DYグループに入社。2012年コーポレート・コミュニケーション・センターのセンター長。Chief Project Managerとして、製造業・流通サービス業界を中心とした部署横断型の事業変革プロジェクト、企業ブランド構築プロジェクトの設計・推進を数多く手がける。2018年9月株式会社顧客時間を設立。共同CEO代表取締役に就任。Head of Managementとして、顧客時間に参画する多様なスペシャリストと共に、数多くの業界・企業におけるDXプロジェクト・事業開発プロジェクトのサポートを行っている。早稲田大学大学院商学研究科修士課程修了(MBA)。日本マーケティング学会理事。著書に『世界最先端のマーケティング 顧客とつながる企業のチャネルシフト戦略』(共著、日経BP)、『オムニチャネルと顧客戦略の現在』(共著、千倉書房)、『物語戦略』(共著、日経BP)、『ゲーム・チェンジャーの競争戦略』(共著、日本経済新聞出版)がある。
書誌情報
発行:日経BP
A5判 240ページ
定価:1,800円+税 ISBN:978-4-296-00051-7
発売日:2022年1月28日
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日経BOOK PLUS
マーケティングの新しい基本 顧客とつながる時代の4P×エンゲージメント
https://bookplus.nikkei.com/atcl/catalog/22/S00510/
まとめ
D2C起業を考えている、または、すでに起業している経営者・小売業者の方、流通関係の業者の方へ、デジタルを基盤とした大きく変化する、これからのビジネスの流れを把握しておくためにも一読をおすすめします。D2Cを始めるわけではないけれど、D2Cを発想の基盤とした企業の「顧客とつながり続けるためにはどうすればいいか?」を第一番に考えるところからスタートしているビジネスモデルの構築方を学ぶ機会としても、おすすめです。