これだけある。60サイズ・ダンボール箱の種類一覧。

コンパクトな通販箱として一番重宝する60サイズの箱。意外と多い種類の中から12種類の箱をご紹介します。どうぞオリジナルの箱作りのご参考に…。

今やECサイト運営のビジネスモデルは当たり前の業態となり、さまざまな分野で進むDX化により、さらに便利で身近なビジネスになってきました。流通に関しても在庫管理から梱包・発送まで一手に代行してくれる物流代行会社のサポートもあり、倉庫を持たずに運営できるようになりました。ECサイトのビジネスモデルもBtoCを筆頭にBtoB、個人から個人へのCtoC、そしてメーカーが直接個人へサービスを提供するモデルDtoC(D2C)と市場規模も増えてきています。ただし日本のBtoCのEC化率は全体の商取引の10%に達してなく、アメリカや中国といった国々と比較してもまだまだ低いのが現状です。ですので、この業態はまだまだ伸び代がある分野と言えるでしょう。ECショップを運営するにあたり、配送箱の役割を無視することはできません。そこで、BtoC、CtoC、D2C向けの商品は比較的小さめのものが流通量として増える傾向がある中で、配送料も比較的安く、扱いやすい配送箱として60サイズの配送箱のニーズが挙げられます。そんな60サイズ配送箱として活用可能な種類・形状の箱がどのくらいの種類があるのかをこれからご紹介したいと思います。

目次

❶ メール便・ポストインタイプの箱

代表的なメール便の対応サイズ。

●詳細は各サービスのホームページでご確認ください。

▶︎ ネコポスを調べる。

料 金…上限(全国一律)¥385(税込)
短 辺…22.8cmまで
長 辺…31.2cmまで
厚 さ…2.5cmまで
重 さ…1kgまで
★ヤマト運輸と契約のある、らくらくメルカリ便など一部の個人間取引サイトを利用の場合、厚さ3cmまで。
★数量などの諸条件に応じて、お客さまごとに価格を設定。


●詳細は各サービスのホームページでご確認ください。

▶︎ ゆうパケットを調べる。

料 金…厚さ3cm以内¥360(税込)
3辺合計(a+b+c)…60cmまで
長 辺…34cmまで
厚 さ…3cmまで
重 さ…1kgまで
★お届けがポスト投函になるため、運送時の紛失・破損・遅延・未着など配達事故などによる補償は一切ありません。
★配送日数は通常2~5日程度。


●詳細は各サービスのホームページでご確認ください

▶︎ クリックポストを調べる。

料 金…全国一律¥185(税込)
短 辺…9〜25cmまで
長 辺…14〜34cmまで
厚 さ…3cmまで
重 さ…1kgまで
★郵便ポストか郵便窓口から発送。
★自宅でラベル印刷可能。
★クレジットカードで決済可能。
★最小14×9cm

一般的なヤッコ(タトウ)タイプ

最も安価なタイプ 組み立て式 
梱包テープ必要 再配達削減

展開図が折り紙の「やっこ」の形に似ている形状でタトウとも言います。風呂敷のように四方から包み込むように梱包するタイプの形状でコスト的には最もコストパフォーマンスの優れた形状でもあります。パネル、書籍やカタログ、DVDやCDなど比較的高さ(深さ)が低い薄ものを梱包するのに便利です。タトウとは畳紙(たとうし)が由来だと言われています。それは昔から大事な額縁や図面、道具や着物などを包む紙などのこと。タトウを漢字で表記する場合、やはり畳紙が語源のご祝儀袋などの折り方「多当折り(たとうおり)」から多当と表記するところもあります。カタログなどを挟みこむポケットフォルダーなどもタトウと言いますが、こちらは畳紙が語源のようです。

*写真の材質はEフルートです。


ヤッコ(タトウ)タイプ|メール便ケース

安価タイプ 組み立て式
差し込み付き 再配達削減

ポストインケースはヤッコ型が圧倒的に人気です。メリットしては箱のコストが安い。組み立て梱包が簡単。箱にする前は薄いシート状で保管できるので保管スペースも削減でき、配送料も全国一律で送料コストも削減。対応可能なポストであれば再配達がなくなるなど、メリットはたくさんあります。梱包テープ不要のポストインケースをオリジナルで作成すれば、さらに梱包資材や時間の無駄などの削減にも一役買います。また、ヤッコ型の材質はダンボールが通常です。

*写真の材質はGフルートです。


テーパートレイのメール便ケース

組み立て不要 梱包作業効率アップ
差し込み付き 再配達削減 

*写真の材質はGフルートです。

ボックストレーを通販箱用に応用した、ポストインケースの例。メリットは箱を組み立てずに、そのまま商品をセットしてフタを閉じるだけで梱包できるところです。フタを開けた状態で箱をを並べて置けるので個数が多い流れ作業も容易になります。組み立て時間の削減や組み立て要員を減らし、別のラインの補強などを考えている場合は期待が持てる箱のひとつとなるのではないでしょうか?
ボックストレーの形状を応用した通販箱は、一般のネットショップなどでは、なかなか入手できない形状の箱ですので、必要とする個数が多い場合やテープレスのフタを必要としている場合など、その多くはボックストレーが製造可能な会社に依頼することになります。そのためにはダンボール素材製造・形状加工など一貫して任せられる会社を探す必要があります。主にボックストレーのポストインケースにはマイクロフルート(Gフルート/厚さ約0.9mm)を使用します。


四隅貼り(4コーナー貼り)型|メール便ケース

省スペース保管 片付け便利な箱
梱包作業効率アップ 再配達削減

四隅貼り型(4コーナー貼り)の箱を応用してメール便箱に応用したのが写真の箱です。一見するとボックストレーを応用したポストインケースの箱に似ています。トレータイプの箱は完成品ですので縦にスタッキング(重ねた)した状態で保管する必要があります。それに対して四隅貼り型の箱はコンパクトに折り畳まれているので所定の保管棚や作業台そばに必要な分だけ収納する事が可能です。箱も簡単に起こせるので組み立てのストレスはありません。テーパータイプと同様に開口部を開いたまま詰め込み作業ができるので梱包作業がスムーズです。コンシューマー向けにオリジナルのメール便箱を販売する場合などは小売店にとってもコンパクトに陳列しやすい箱でもあります。折り畳む構造上、側面に斜めの折れ線が入ってしまいますが、高さ(深さ)をあまり多く取らなければ、思ったより折れ線は目立ちません。
50・60・80と配送サイズ別に高さを変えて配送箱に応用してみても便利な箱です。使用後も解体することなく簡単に折り畳んで元に戻せるので、それはコンシューマー(消費者)にも便利で嵩張らずにリサイクルしやすい箱なのではないでしょうか?

*写真の材質はGフルートです。


60サイズに対応可能な箱の種類

上記はメール便ケースの箱に使われる3つの形状を紹介しました。次は一般的に配送箱としてよく使われている形状のものから順に、ギフト箱にも使える形状の箱をご紹介いたします。

A式箱|みかん箱

最も安価なタイプ 梱包テープが必要 
最もポピュラー

A式箱は引っ越しや製品の運搬などに一般的に多く使われているタイプの箱の形状です。みかん箱と呼ばれることもあります。ダンボール箱というと、この箱が一番思い浮かぶのではないでしょうか? 製造工程で、材料の無駄がなく製造コストを低く抑えることが可能です。A式箱は梱包の際に底面と天面のフラップを曲げて、外フラップを突合せてテープなどで封緘します。フタはA式のまま、底面をワンタッチにすると組み立て作業の時間とコストを削減できます。

*写真の材質はEフルートです。


B式底ワンタッチ箱

組み立て簡単 作業効率アップ
テープ代節約 底面が丈夫 

B式底ワンタッチ箱は天面のフタは差し込み式で、折りたたまれている箱を開けると自動的に底が出来上がるように、あらかじめ底部分の2箇所をのりで貼っています。「ワンタッチ」でスピーディに組み立てられ、アメリカンロックよりも底面が丈夫です。底を貼るためコストは掛かりますが、作業効率が良いので出荷数量が多い製品の箱や通販箱にオススメです。梱包作業の時間を削減できるのが一番のメリットです。重いものに対しても丈夫な作りになっている反面、底面が箱の内側に入りやすい構造になっているため、軽く柔らかい内容物には適さない場合があります。納品時、底が貼られている状態で折りたたまれているので、A式箱に比べると少し厚みが生じます。

※写真の材質はEフルートです。


B式底組箱|アメリカンロック式

比較的安価 組み立て式 軽量の梱包向け

天面のフタはB式で、底が組立式になっています。簡単に組立てられる形状で、のり付けはA式箱(みかん箱)と同じサイドに1箇所あります。底ワンタッチ式よりも貼りの工程が少ない分、低コストで製作でき、A式箱のように底面のテープ止めが要らなく、梱包の手間を省き作業時間を短縮できます。ワンタッチ箱のように底部を貼っていないため、あまり重量のある内容物には向いていません。箱に底パットを併用することにより強度が増します。天面のフタを開け閉めする構造なのでギフト用の化粧箱にも十分対応できます。縦長の箱にも対応できます。もちろん上部をA式箱(みかん箱)にすることも可能です。

*写真の材質はEフルートです。


N式箱

比較的安価 組み立て式 ギフト箱としても

*写真の材質はEフルートです。

N式箱とはフタと身箱が一体化したワンピースタイプの箱です。のり付けがないのでコストも抑えられ見映えもよい箱です。比較的組み立ても簡単なところも人気のある箱の理由です。
写真のN式箱は、箱の形状を安定させるために左右の側面同士を背面の内側で腕組みのように連結する箇所があるタイプです。それにより、形状の安定とともにフタを開けたまま自立できるので製品のセット梱包が非常にラクになります。
また、腕組みタイプのN式箱は高さ(深さ)が低い箱にも対応できるため、ギフト向けの箱から配送箱まで幅広い用途で使用できるところがメリットです。デメリットは高さ(深さ)を多く必要とする内容物には構造的にあまり向いていません。フタの形状をB式箱のような差し込み式にする以外にもロック式の差し込みにしたり、身箱に額縁を付けて高級感を出したり、いろいろな応用も利く便利な箱です。
この箱を腕組みではなく、シェイクハンド型と呼ぶところもあるそうです。
一枚の紙から組み立てができます。(組箱=自分で組み立てる箱)


N式箱|脇差タイプ

組み立て式 ギフト箱としても 海外で人気

N式箱(腕組みタイプ)と同様、フタと身箱が一体化したワンピースの箱です。フタの差し込みを両サイドの側面に差し込んで閉めるのがN式箱(脇差し)です。
フタを閉じた外見はシンプルな見た目で、高級感のある箱に仕上がります。またフタの両サイドのフラップを身箱内側に差し込むタイプのものはフタの沈み込みが少なく強度も優れています。フタがしっかりと閉まるため密閉性にも優れた形状です。対象となる内容物は幅広く、ギフトやアパレル商品、ビン製品などの詰め合わせセットの化粧箱などにも重宝します。材質はフタフラップを額縁付の側面に差し込んでロックするため、通常厚みがあるダンボールを使用します。仕切りやパットなどを併用すると見た目にも機能的にも優れた箱になります。

*写真の材質はEフルートです。


四隅貼り箱|4コーナータイプ

組み立て簡単 作業効率アップ 省スペース 
折り畳みOK

四隅貼り(四隅をのり付けしたタイプ)の箱です。折り畳んだ箱を起こすだけで組み上がる構造で、作業効率が高い製品です。加工は折りたたみながら貼付けるので、貼った後の状態は平らに折りたたまれた状態で納品されるので置き場所も省スペース。お菓子箱や、お弁当箱、お歳暮やお中元などの製品に多く使われている箱です。量産するタイプの商品パッケージに向いています。ただし、高さ(深さ)が高い設計には向いていません。内折りと外折り、内外折りなどがありますが、詳しくは問い合わせで確認してください。

*写真の材質はEフルートです。


底ワンタッチ箱|底パット付きタイプ

作業効率アップ 組み立て簡単 
省スペース 片付け簡単 底パット付き

A式・B式底ワンタッチ箱の「ワンタッチでスピーディ」「底面が底抜けしづらく強度もある」という利点をさらに使い勝手の良い箱の構造にしたのが、この箱です。A式・B式底ワンタッチ箱は多く流通している箱の形状の一つですが、あまり高さ(深さ)の低いサイズの箱には向きません。なぜなら、貼り加工の工程で高い技術が必要になることと、箱にしたあと底面が凸凹と平滑性がなく、入れる中身がシャツのような軽く柔軟性があるものだと場合によっては底面外側(下側)からの圧力に対して内側に入り込んだりしてしまいます。ある程度重量があるものを入れることによって、箱内側に入り込む底面の力を重力で押さえつけることにより、この箱は安定します。また、見栄えも底が平な箱に比べて悪いことから、底面強度をさらに上げる、平滑性を出す、底を隠して見栄えを良くする等の理由で底パットを別パーツとして底ワンタッチ箱にセットする場合があります。これらのワンタッチ底の弱点を解消しつつ、高さの低い50・60サイズの通販箱に対応したのがこの「底パット付き底ワンタッチ箱」です。内フラップが大きいので箱の内側にデザインやメッセージ、広告などを入れられ、印刷面積が広いのもメリットです。上から中身を入れられるのでセット梱包のしやすさもトレータイプの通販箱、四隅貼り型の通販箱同様、見過ごせない点です。
比較的重さのある小物や小型家電、異物混入を極力避けたい医療部品などにもオススメの形状です。

*写真の材質はEフルートです。


N式箱|フタ裏に印刷可能なタイプ

フタ裏にも印刷 省スペース ギフト箱にも 片付け簡単 美粧性

フタの裏側にもメッセージやデザイン施せる、他の形状にはない、顧客にインパクトを与える箱です。メッセージ部分はフタの裏側にフラップを回し込んで糊付けをしているため、フタ天面のソリや凹みにも強い構造となっています。表裏印刷はコストが嵩張りますがこの箱なら片面印刷で済みます。また、身箱側の四隅の連結辺を貼ることにより、箱の組み立てに慣れていない人にも直感的に箱に仕上げることができます。折り畳んだ状態もコンパクトなので四隅貼り(4コーナー)箱と同様に省スペース保管に役立ち、コンシューマーにとっても片付けが簡単でリサイクルしやすい箱です。四隅貼り箱には構造上側面に折線がありますが、この箱にはありません。その分、見た目もギフト用化粧箱に近い美粧性の高い配送箱が作製可能です。競合他者と差をつける箱、消費者想いの箱になる構造です。貼り加工が多い分、箱のコストは上がりますが、顧客へのアピール度は、送るためだけの低コストの配送箱よりブランディング効果は高く印象づけられるのではないでしょうか?

*写真の素材はEフルートです。

❸ まとめ

今回はニーズの高い60サイズ配送箱で作成可能な箱の形状・種類をご紹介しました。

サイズや内容量などの違いによっては、すべてA式(みかん箱タイプ)にするのではなく、箱には様々なタイプの形状がありますので、前もって検討することも重要です。
小さめのサイズの配送箱ならセット梱包しやすいように底ワンタッチの箱にすることで、作業効率UPになります。また、底のフタにテープを使わないので資材のコストカットにも繋がります。

  • 配送箱にもブランドのイメージを表現できる美粧性が必要。
  • 配送箱を作る前に箱の機能、材質、必要なサイズの数と個数を予め検討。
  • ダンボール箱はA式(みかん箱)だけではない…箱の形状も重要なポイント。
  • 箱の機能、目的を「梱包・配送に適した箱」「顧客(受け取る)側の目線に立った箱」を検討して箱の形状や仕上がりの着地点を予め確認する。また、知識を持つ必要性がある。
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