ダンボールの基礎知識
美粧ダンボールメーカーが主に取り扱っているダンボールの構造と厚さ(フルート別)とダンボールの材質(ライナ)などを紹介したします。
ダンボールの中芯の波型のことをフルート(Flute)といいます。目的に応じた高さをセレクトして使用します。一般的には梱包する商品の重量や大きさが大きいほど高さ(厚さ)のある丈夫なフルートを選びます。Gフルート厚さ約0.9mm、Fフルート厚さ約1.1mmはマイクロフルートとも呼ばれ、個装・内装用のダンボールパッケージのこれからを担う製品です。その他、Eフルート、Bフルートなど。美粧ダンボールは様々な厚さのダンボールに対応します。裏ライナの色柄を変えたり、中芯をライナと同じ色に揃えたり、発想は自由自在です。また、撥水性、耐油性、保冷性などの機能を付け加えることも可能です。
※メーカーにより、取り扱うダンボールの種類は異なります。
❶ ダンボールの構造
片段
1枚のライナに波型に整形した中芯原紙を貼り合わせたダンボール。
両面
片面ダンボールに表ライナ原紙を貼り合わせたダンボール。一般的なダンボール。
特殊な構造
Wフルート片面
美粧ダンボールとしてはあまり使用しない。商品保護の緩衝材等に使用する特殊な構造をしたダンボール。
特殊な構造
Wフルート両面
両面ダンボールの片側に片面ダンボールを貼り付けたダンボール。
強度を必要とする外装箱などに多く使用されている特殊なダンボール。
❷ ダンボールの種類(シートの厚さ)
マイクロフルートとは?
マイクロフルートとは? 約0.9〜1.1mmの極薄のダンボールのこと。
包装の薄物化が進んだことで出来たダンボールで、熱を伝えにくく、保温・保冷に優れているため食品容器にも適していて、薄くかさばらないため、板紙パッケージの代わりに、美しさを表現したパッケージに使用されることも多い。
❸ ダンボールの材質(ライナ)
ダンボールの材質は使用している原材料や厚みで種類に分けられます。上の図で見ると、D4<C120<C5<K5<K6の順に強度も強く、またその分コストも高くなります。ライナとはダンボールの表側と裏側に使用するボール紙のことです。一般的に美粧ダンボールは表ライナに美粧印刷を施したり、表ライナの代わりに板紙オフセット印刷した刷本を合紙・貼合したダンボール製品のことです。
ほぼ古紙パルプを使用したもの。ザラザラしていて強度は弱く柔らかい。
C5ライナより薄い。D4よりなめらかさはある。
強度を必要としない軽量物の梱包や、仕切り板・パットに使用されている。白色のC5もある。
外装ケース通常グレードの材質として段ボール箱に使用される。壊れやすい小物の梱包に向いていて、表面印刷もしやすい。
強度が高く、箱を積み上げた際に天面が潰れにくい。特殊形状の段ボール箱に適している。
●上記のライナ以外にも種類はありますが、一般的に使用頻度が高いものをピックアップしています。
※各メーカーにより、材質とボール紙の厚さは図とは若干異なる場合がございます。
※各メーカーにより、取り扱うダンボール原紙が異なりますので、詳しくはご相談ください。
❹ 中芯(フルート)
❶ダンボールの構造のイラストにもある通り、ダンボール板の断面から見た時に「波型の部分(フルート)」を「中芯(ナカシン)」と呼びます。 一般的な中芯は115〜120gの厚さの紙を使用します。ダンボール箱の強度を上げたい場合、中芯を厚くする場合もありますが、表裏ライナと中芯の強度の差がありすぎると製品にならない場合もあります。
❺ 色ダンボール・特殊ライナ(耐油・撥水)
色ライナやファンシーペーパーを使ってカラフルで上品なダンボールに。
ダンボールというと多くの人が茶色のダンボールを思い浮かべることでしょう。しかし、市場には国内メーカー製造のカラフルな色付きのダンボールも多数流通しています。本の装丁やお洒落な封筒やカードに使われるようなファンシーペーパーを使った独特の質感を持った紙でできているダンボールも多数あります。ただし、自社で色ライナやファンシーペーパーを使ったダンボールを製造できる国内の美粧ダンボールメーカーの数はあまり多くはありません。
表面に耐油や撥水、抗菌性のある特殊機能紙のダンボールもあります。
プラスチック製品や発泡スチロールの代替品に紙製品が依然として注目とニーズが増える中、特殊機能を持ったダンボール製品も多くなっています。耐油や撥水性のある冷凍食品や生鮮食品、テイクアウト資材向けダンボール、防カビや抗菌性のあるダンボールなど、ライナ原紙そのものに機能性があるものやダンボール原紙に特殊コーティング加工を施して機能を持たせるものなど、さまざまな製造工程があります。
とはいえ、コスト面の問題や材料・加工のセレクトなど、どうやって依頼や発注などをしたらよいか、わからない業者の方も多いはずです。その場合は、やはり製造から加工・販売までの一連の工程を一貫してできるメーカーに委ねるのがオススメです。